楽天グループが、日本の生成AI開発を加速させる大きな一歩を発表しました。
2025年12月18日、楽天グループ株式会社は、経済産業省とNEDOが推進する「GENIACプロジェクト」の一環として、新たな高性能AIモデル「Rakuten AI 3.0」を開発したことを公表しました。
今回の発表は、「日本語に本気で強いAI」を自社で持つという点で、非常に意味のある内容です。
Rakuten AI 3.0とは？
「Rakuten AI 3.0」は、日本語に特化した大規模言語モデル（LLM）で、以下のような特徴があります。
約 7,000億パラメータを持つ国内最大規模の日本語LLM
Mixture of Experts（MoE）構造を採用し、高性能と高効率を両立
日本語ベンチマーク（MT-Bench日本語版）でトップスコアを達成
楽天エコシステム内での利用では、最大90％のコスト削減を実現
単に「大きいAI」ではなく、実運用を前提に“使えるAI”として設計されている点が特徴です。
なぜ楽天のAIは「日本語に強い」のか
Rakuten AI 3.0は、オープンソースモデルをベースにしながらも、
楽天独自の高品質な日本語・バイリンガルデータ
日本の文化・商習慣・言語ニュアンスを反映したファインチューニング
社内GPUクラスタによるセキュアな学習環境
によって開発されています。
そのため、
日本語の微妙な言い回し
文脈理解
ブログ執筆や説明文生成
といった実務寄りのタスクでも、高い精度が期待されています。
今後の展開にも注目
Rakuten AI 3.0は、
「Rakuten AIゲートウェイ」
「Rakuten AI」エージェントプラットフォーム
を通じて、楽天市場・金融・旅行・エンタメなどの各サービスに順次導入予定です。
さらに、2026年春を目途にオープンウェイトモデルとしての公開も計画されており、日本のAI開発コミュニティ全体への波及効果も期待されます。
個人的な所感
海外製AIに依存しがちな中で、日本語・日本市場に最適化されたLLMを自前で持つというのは、長期的に見て非常に大きな意味があります。
「コスト削減」「性能」「安全性」を同時に成立させている点は、楽天らしい現実志向のAI開発だと感じます。
🔗公式リリースURL
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002556.000005889.html
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